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森の中のまるごと図書館づくり「第5回:図書館は成長する有機体である」

2016年09月27日

「図書館は成長する有機体である」というのは、インドの著名な図書館学者S.R.ランガナタン(1892-1972)の言葉です。

「図書館学の5原則」
(1) 本は利用するためのものである。
(2) いずれの人にもすべて、その人の本を。
(3) いずれの本にもすべて、その読者を。
(4) 読者の時間を節約せよ。
(5) 図書館は成長する有機体である。

シンプルな言葉で表現されていますが、研究者により様々な視点で研究されており、ランガナタン博士の図書館の5原則は、より意味を深く理解していきたいので、他の4原則についても、いずれ紹介したいと思います。


さて、現在の夢・未来館の図書室は、公民館図書室から成長してきた経緯があります。蔵書リストの記録によれば、現在一番古いものは、昭和37年2月22日の受け入れで、『日本の文化財I』(昭和35年)となっています。これが3番目となっているので、1番古いわけではありませんが、ちょうど日本の高度経済成長の時期であり、日本中に公立図書館の新設が増えた時期にあたりますね。当時の社会の活気あふれる様子や前向きな指向が読み取れます。


この記事の中で「図書室の設置」のことが書かれています。


興味をひかれたので、当時の広報誌も探ってみました。昭和33年7月号に、「明るく豊かな村づくりと公民館活動について」と題して書かれた公民館に関する記事を見つけました。公民館の事務の一つとして、「図書室の設置」とあります。これらを鑑みると、昭和33年から図書室は設置されていたと考えてよいと思います。そういう資料や蔵書の記録が現在までも残っていることに、とても感銘を受けました。今年が町制50周年にあたるので、梼原村の頃から公民館図書室が存在しています。梼原町には、このように図書室に親しんできた歴史があります。


夢・未来館2階にある、現在の図書室です。


公民館から未来館へと建物が変わりながらも、図書室の蔵書は大事に保存されてきました。この基盤の上に、今の図書室があります。これから準備期間を経て、新しい図書館が生まれますが、その図書館は地域の人々とともに成長していきます。50年後のこどもたちにもちゃんと残せますように……。