各課紹介/教育委員会
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2017年03月03日
1月のことですが、隈研吾氏の建築した富山市立図書館「富山キラリ」を視察に行くことができました。ガラス美術館と図書館の複合的な建物で、1階から6階までが図書館、その上はガラス美術館になっています。2階には美術館のお土産コーナーとカフェがありました。全体の外観は、ガラスのようにキラキラしています。
図書館の副館長と係長から、館内を丁寧にご案内いただきました。長いエスカレーターに乗って上を見ると、そのまま空を見上げることができるのですが、これが斜め上の線を強調するようなデザインになっており、見ていて面白い眺めになっていました。斜めの吹き抜けも素晴らしく、ガラスや鏡の効果で浮遊感がある空間となっています。白い壁の色と床や手すりの透明さが高所恐怖症でなくても緊張感を呼び、身体的にも背筋を正される感覚があり、ちょっと非日常的な雰囲気をもった建物です。
梼原の図書館で検討中の本棚と似たものも見せてもらいました。本棚の棚板前面は斜めに薄く、背板をあえて抜き、本を探しながらも向こうが見えるようにしておくことで、軽やかさと空間の奥行きを感じさせるような工夫がされています。5段の本棚は低く抑え、奥行きもぴったりにし、棚板を等間隔に区切って統一感を出すことで、シンプルで美しい、きりっとした空間がつくられておりました。蔵書45万冊でも、本棚が重々しくは見えなかったのは、こうした空間構成の力によるものでしょう。
他にも特筆するべきことはたくさんありますが、レファレンスカウンター(問い合わせ窓口)が児童書フロアにもあり、専門の司書が配置されているのはかなり珍しい事例ではないでしょうか。親子が並んで一緒にパソコン検索ができるような座席の配慮もされています。乳幼児が安心して遊ぶことができ、絵本に親しむための空間もゆったりとあります。閲覧室、学習室、パソコン専用カウンター席、セミナー室という多目的な用途にあわせた、ゆとりある設計になっており、リビングのような図書館として市民に親しまれている様子でした。
梼原の図書館も、知識と情報の集積拠点の役割以外にも、リビングのような憩いの場として利用していただけるような創意工夫を反映させていけたらと思います。