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森の中のまるごと図書館づくり「第7回:本と出会ってもらうための工夫」

2016年12月21日

11月下旬に、鬼の母子像が県境をはさんで隣町の道の駅、日吉夢産地に出現したのはご存知でしょうか?名前は柚鬼媛(ゆきひめ)といいます。その腕に抱えている赤ちゃんが成長した姿が、同じ鬼北町広見の道の駅、森の三角ぼうしに立っていますが、額には2本の角が生え、金棒を持ち、肩には雉(きじ)が乗っており、恐ろしい風貌をした赤鬼です。どちらも鬼北町の伝説や民俗に関係があります。


ちょうど同じ頃、私は大阪に出張していましたが、この鬼達の製作者である海洋堂さんを訪問して、新しい図書館とのコラボレーションに関して協議しました。その中では、本になじみの薄い人にも本の世界との出会いを演出するための一つの手立てとしてフィギュアをとらえてみるという視点から、立体造形物の可能性について話し合いました。


本に関心のない人にも実際に本を手にとってもらうようにするには、どういった工夫が考えられるでしょうか。一つは、海洋堂さんが話されたように、造形物から始めて紙の本へ興味を移すことがあります。例えば、かっこいいフィギュアや、かわいいフィギュアをたまたま見かけたことがきっかけになって原作を読んでみたくなる、といった流れが考えられるかもしれません。


こういう工夫があれば、本そのものに関心が向くきっかけになるかも?


また、本を読むというよりは、むしろ眺めてみるという方法もあります。私の場合は、学生時代は、買うつもりがなくても毎日のように本屋に寄って、眺めておりました。頻繁に本屋に通うことによって、新しい本が入ったらすぐにわかるし、平積みされている本の表紙を眺めることだけでも、情報がたくさん目に飛び込んできて、かなり世の中の動きがつかめるものです。そのような経験を積み重ねることにより、本と自分の関係が構築されていくのだと思います。


図書館に本を読みに来ることに、もし何らかの抵抗感を感じているならば、まずは気楽な気分で、本やフィギュアを眺めることから、始めてみてはいかがでしょうか?もしも、本の選び方や探し方が分からなければ、図書館員がお手伝いをしますよ。