○檮原町景観条例

平成20年6月19日

条例第26号

目次

前文

第1章 総則(第1条~第6条)

第2章 景観計画(第7条・第8条)

第3章 景観計画区域内における行為の制限等(第9条~第13条)

第4章 景観重要建造物及び景観重要樹木(第14条~第16条)

第5章 雑則(第17条)

附則

私たちのまちは、緑豊かな四国山地の森林に抱かれ、その裾野を清流四万十川が蛇行しながら太平洋へと注ぐ源流域にある。

その悠久の流れとともに、森、水、風、光といった自然の恵みの中で生活を送り続け、時を刻みながら歴史風土を育み独特の伝統文化を築きあげてきた。

山々の裾野から天に向かって石を積み上げた田んぼが幾重にも重なる棚田は、農業が築きあげた日本のピラミッドとして称賛され、国土保全などの多面的機能を発揮しながら美しい風景を形成している。

その棚田を切り開くように、坂本龍馬や勤王の志士たちが維新を夢見て駆け抜けた「脱藩の道」が東西に走り、鎮守の森に囲まれた峠には、訪れる旅人をもてなす茶堂が時間を止めている。そこには檮原の美しい日常が織りなされている。

私たちは、先人が守り育て築いたこのすばらしい魅力あるふるさと檮原の景観を後世に伝えていかなければならない。

そのためには、維持、保全に努める景観計画を策定し、住民が誇りと自信を育み住み続けたい故郷にするとともに、美しく魅力ある景観を守り、育て、創り、そして未来へと引き継ぐことを決意し、この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、景観法(平成16年法律第110号。以下「法」という。)の施行に関し必要な事項を定めるとともに、檮原町のもてなしの心、四季折々の変化に富んだ自然景観、文化を育んできた魅力あふれる景観を守り、育て、創るために必要な事項を定めることにより、美しい自然景観と調和したまちづくりと町民文化の向上に資することを目的とする。

(用語の意義)

第2条 この条例において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 景観形成 良好な景観を守り、育て、創ることをいう。

(2) 景観計画区域 法第8条第2項第1号の景観計画区域をいう。

(3) 建築物 建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物をいう。

(4) 工作物 建築物以外の工作物のうち規則で定めるものをいう。

(5) 事業者 建築主並びに設計及び施工を業として行う者をいう。

(基本理念)

第3条 私たちは、檮原の景観を町民共有の財産として認識し、現在及び将来にわたり町民がその恩恵を享受できるよう、町、町民及び事業者の適切な役割分担と協働のもとに檮原町の特性を活かした景観形成に取り組むものとする。

2 前項に規定する景観形成の実現に当たっては、長期的な視点に立ち、檮原町の魅力や価値をより一層高め、活力ある檮原を創ることに寄与するものとする。

(町の責務)

第4条 町は、景観形成に関する施策を策定し、計画的に実施しなければならない。

2 町は、景観形成に関する施策の策定及び実施に当たっては、住民の意見を反映させるよう努めなければならない。

3 町は、建築物、工作物の建設及び道路その他の公共施設の整備等を行う場合には、景観形成に先導的役割を果たすよう努めなければならない。

4 町は、町民及び事業者が景観形成に積極的な役割を果たすことができるよう、景観に関する知識の普及及び意識の高揚を図らなければならない。

(町民及び事業者の責務)

第5条 町民及び事業者は、自らの土地、建築物及び工作物その他の所有物が景観形成の主体となっていることを認識し、自主的に景観形成に努めなければならない。

2 町民及び事業者は、町が実施する景観形成に関する施策に協力しなければならない。

3 町民及び事業者は、景観の維持及び形成に努めるとともに、相互に協力しなければならない。

(国等に対する協力の要請)

第6条 町長は、景観形成を効果的に行う必要があると認めるときは、国又は他の地方公共団体に対し、景観形成についての協力を要請するものとする。

第2章 景観計画

(景観計画の策定)

第7条 町長は、法第8条第1項の規定による景観計画を定めるものとする。

2 景観計画区域は、町全域とする。

(景観重点区域の指定)

第8条 町長は、景観計画区域のうち重点的に景観形成を図る必要があると認める次のいずれかに該当する地域を、景観重点区域として指定することができる。

(1) 美しい自然景観を有する地域

(2) 檮原らしい歴史、文化景観を有する地域

(3) 良好な景観形成が必要な地域

(4) その他町長が指定の必要を認める地域

2 町長は、景観重点区域を指定するときは、あらかじめ当該地域の町民、事業者の意見を聴かなければならない。

3 町長は、景観重点区域を指定したとき、又は景観重点区域を変更したときは、これを告示しなければならない。

第3章 景観計画区域内における行為の制限等

(届出を要する行為)

第9条 法第16条第1項第4号に規定する条例で定める行為は、次に掲げる行為とする。

(1) 土石の採取、鉱物の掘採及びその他の土地の形質の変更

(2) 屋外における土石、廃棄物及び再生資源その他の物件の堆積

(3) 屋外における自動販売機の設置

(景観計画区域内における届出の適用除外)

第10条 法第16条第7項第11号に規定する条例で定める景観計画区域内における行為は、次に掲げる行為とする。

(1) 高さが10m未満の建築物又は建築面積が200m2未満の新築、増築又は改築

(2) 高さが5m未満の工作物又は築造面積が1000m2未満の新築、増築又は改築

(3) 高さが3m未満又は面積が1000m2未満の鉱物の掘採及び土石の採取

(4) 町民が農林漁業等を営むために行う行為

(5) 屋外における土石、廃棄物及び再生資源その他の物件の貯蔵にあっては、堆積面積が1000m2未満又は高さが3m未満のもの

(6) 前各号に掲げる行為のほか、良好な景観形成に支障がないと町長が認める行為

(景観重点区域内における届出の適用除外)

第11条 法第16条第7項第11号に規定する条例で定める景観重点区域内における行為は、次の各号に掲げる行為とする。

(1) 高さが10m未満の建築物又は建築面積が100m2未満の新築、増築又は改築

(2) 高さが1.5m未満の工作物又は築造面積が10m2未満の新築、増築又は改築

(3) 町民が農林漁業等を営むために行う行為

(4) 屋外における物品の集積、廃棄物及び再生資源その他の貯蔵にあっては、堆積面積が10m2未満又は高さが1.5m未満のもの

(5) 前各号に掲げる行為のほか、良好な景観形成に支障がないと町長が認める行為

(助言又は指導)

第12条 町長は、行為の届出があった場合において、その届出に係る行為が景観計画に適合しないと認めるときは、届出をした者に対し必要な措置を講ずるよう助言し、又は指導することができる。

(勧告)

第13条 町長は、前条の規定による助言又は指導をした場合において、その者が当該助言又は指導に従わないときは、法第16条第3項の規定に基づき、勧告することができる。

第4章 景観重要建造物及び景観重要樹木

(景観重要建造物及び景観重要樹木の指定の通知等)

第14条 町長は、法第19条第1項及び法第28条第1項の規定に基づき景観重要建造物及び景観重要樹木を指定したときは、直ちにその旨を公表するとともに、規則で定めるところにより、これを表示する標識を設置しなければならない。

(景観重要建造物の管理の方法基準)

第15条 法第25条第2項に規定する管理の方法基準は、次のとおりとする。

(1) 景観重要建造物の修繕は、原則として当該修繕前の外観を変更することのないようにすること。

(2) 景観重要建造物の価値や良好な景観の保全に必要な維持管理の方法基準を景観計画で定めることができる。

(景観重要樹木の管理の方法基準)

第16条 法第33条第2項に規定する管理の方法基準は、次のとおりとする。

(1) 景観重要樹木の良好な景観を保全するため、剪定その他の必要な管理を行うこと。

(2) 景観重要樹木の焼失、枯死などを防ぐため、病害虫の駆除その他の処置を行うこと。

(3) 前2号に掲げるもののほか、景観重要樹木の良好な景観の保全のために町長が必要な措置を講ずることができる。

第5章 雑則

(委任)

第17条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

附 則

この条例は、平成20年7月1日から施行する。

檮原町景観条例

平成20年6月19日 条例第26号

(平成20年7月1日施行)