○檮原町鎮守の森づくり条例
平成7年3月9日
条例第24号
檮原は、古来、森林(もり)に抱かれ、森林によって生かされてきた。それは四万十川源流の景観として残され、その清流を生み出し、津野山神楽に代表される伝統文化や木造建築物などの民俗文化にも色濃く反映されている。
地域住民にとって、最もなじみの深い森林は、鎮守の森である。それは、鎮守の森が、古木が生い茂りうっそうとしたたたずまいでありながら、多様な生物を育み、祭や信仰、崇拝の対象となり、常に地域住民の心の拠り所であったからである。
森林は、経済的な価値のほかに、水資源のかん養や国土の保全、保健休養の場の提供など、多くの公益的な機能を持っている。とりわけ鎮守の森は、地域の環境保全や生物種の多様性を維持するなど、自然と共存するために重要な存在であり、従来注目されなかった森林の芸術や教育、文化的な価値が高い。
本町が、森林・林業の振興によって「木の里ゆすはら」を実現するため、町の面積の大部分を占める森林を育成・整備していくに当たり、森林の有する多様な機能が十分に発揮できる懐の深い森林づくりのシンボルとして、鎮守の森の意義を改めて認識するとともに、常に良好な森林整備に取り組むことを本町の林政の基本的な方向として確認し、この条例を制定する。
(趣旨)
第1条 この条例は、前文の目的を達成するため、檮原町鎮守の森モデル林を指定し、その整備及び取り扱いの方法について定めるものとする。
(指定)
第2条 檮原町鎮守の森モデル林の名称、位置、面積、整備及び取扱いの方法については、別表のとおりとする。
(整備及び管理)
第3条 鎮守の森モデル林の整備と管理は、所有権等全ての権原が町にあるものについては町が行い、国有林及び私有林であって権原が町にないものについては、別に定めのあるものを除き、権原者と協議して町が行うものとする。
2 町は、鎮守の森モデル林の標識を設置するとともに、別表に定める整備及び取扱いの方法に則して、常に良好な管理に努めなければならない。
(委任)
第4条 この条例に定めるもののほか、必要な事項は、町長が別に定める。
附則
この条例は、公布の日から施行する。
付則(令和2年条例第26号)
この条例は、公布の日から施行する。
別表(第2条、第3条関係)
名称 | 位置 | 面積 | 整備及び取扱いの方法 |
龍馬の森 | 川西路2412番地外3筆 (大越) | 8.64ヘクタール | 坂本龍馬生誕300周年に当たる西暦2135年まで、主伐を行わない。 |
維新の森 | 田野々2439―1番地外2筆 (バソク) | 11.81ヘクタール | 龍馬の森と同じ。 |
太郎川公園 | 太郎川3789番地外17筆 (太郎川公園) | 7.34ヘクタール | 他の地域との交流の拠点として、必要な整備を行う。 |
三嶋の森 | 川西路2196番地 (三嶋神社) | 1.10ヘクタール | 境内地であり、指定しない。 |
四万十源流の森 | 下鷹取山国有林 4048ろ 鷹取山国有林 4049に (鷹取山) | 87.97ヘクタール | 鷹取山生物群集保護林(国有林) |
春分峠 | 久保谷山国有林 4041ろ1、2 4042ろ、は 4043と 4047ほ (久保谷山) | 107.42ヘクタール | 久保谷風景林(国有林) |
四万十源流清流保全林 | 松谷14番地、東向561番地外31筆 (松谷山) | 50.81ヘクタール | 四万十川源流の景観と清流を保全することに配慮して、必要な施業を行う。 |
交通安全土佐の森 | 久保谷1597番地 (上若山) | 2.87ヘクタール | 殉職された自衛隊員13人の慰霊という設定の趣旨に配慮しつつ、必要な施業を行う。 |
福祉の森 | 豊原6496―1番地外7筆 (崎村山) | 9.66ヘクタール | 町民の福祉のために利活用することを目的として、必要な施業を行う。 |
「ゆすはら」郷土の森 | 鷹取山国有林 4049い (鷹取山) | 7.29ヘクタール | 平成6年3月15日付け「郷土の森保存協定」による。 鷹取山生物群集保護林(国有林) |
地球環境の森 | 汢尾西山国有林 4193ぬ1 (汢尾西山) | 3.52ヘクタール | 平成6年3月18日付け「分収造林契約書」による。 |
自生古木林 | 田野々1679―1番地 (自生古木林) | 1.69ヘクタール | 自生古木林(檮原町天然記念物)の保存を目的として、必要な整備を行う。 |